設計から上がってきた設計図やお客様の仕様書に基づいて、制御盤の板金加工(鉄製の大きな
箱と板の作成)・塗装を弊社提携の専門会社に委託します。(弊社では板金・塗装の業務部門は
ありません)
板金・塗装されてきた中板と呼ばれる鉄板に、制御盤の主役となるブレーカー、マグネット、リ
レー、シーケンサ等の各種電気部品を取り付けますが、まず部品の位置を外形図に従って中
板にペンで書きこんでいきます。そしてその位置に取り付けられるように穴をあけてネジ切り
をしていきます。
1・2と平行して行う配線の準備作業です。マーク打ちとはたくさんの部品を配線する数百本、数
千本にもなる電線の一本一本に、行先がわかるように付ける番号を書いたチューブを作る作業で
す。デバイス打ちとは各部品の名称をシールに打ち込む作業です。
穴あけされた中板に部品を取り付けてデバイスを貼っていきます。またダクトと呼ばれる電線の通
り道を取り付けていきます。
回路図、仕様書に基づいて部品と部品を電線でつないでいきます。つなぎ終わると増し締めチェッ
ク(電線をしっかりつないでいるかチェック)、端子カバー(感電防止のカバー)などの付属部品を取
り付けて完成、仕上げに制御盤を綺麗に清掃し、傷等がないかチェックします。
基本に忠実というところです。まず仕様書をしっかり見る、そして雑な仕事をしないということ。また、作業スピードを速めるためしっかり電気図面を読み込むこと。当たり前ですが、基本です。長年仕事をやっていると特に、当たり前のことがしっかりできることが大事なのだと感じます。
最も気をつけるのは見た目です、配線がキレイに見えるというのは大変重要です。殆どのお客様はそこしか見ないのですから。そしてキレイに配線するのにも技術がいるので、完成後、誰にも文句のつけようのない制御盤ができあがったら、何とも言えないウレシさがこみ上げてきます。自己満足に近いですが(笑)
完成した制御盤の配線が正しく図面どおりに出来ているかどうか目視検査、導通チェックなど検査
項目に沿って検査します。
お客様に当社まで来ていただいて動作確認などをしていただきます。問題なければ出荷となり
ます。問題や改良点があれば手直し改造を行います。(当社での立会い検査なしでお客様の工
場で検査するケースもあります)
また当社で作る装置の制御盤についてはもちろん当社の機械スタッフも交えて総合的にチェッ
クし、動作確認をします。
最終清掃をして梱包後、細心の注意をはらって制御盤を提携チャーター便に積み込みます。取り
扱い説明書や付属部品も整理梱包して積み込みます。無事出荷を見届けて完了です。
基本的には出荷で完了ですが、案件によってはエンドユーザー様の工場などに出向いて、製
造した制御盤を取り付け配線する作業を行います。作業後にお客様と一緒に動作確認を行い
完了です。
電気配線は大変面白い仕事です。一見、地味な作業に見えるかもしれませんが、これは最初から何ともいえない面白さを感じていました。それは今でも変わりません。そして、配線していくうちに目に見えて制御盤ができあがっていくのも、地味にテンションがあがります(笑)
最も面白く感じる時は、現地で取り付け・試運転までさせていただく時です。自分の作った制御盤がわかりやすく、社会で役立っているのを見て、自分もちょっと世の中の役にたったのかなぁ、なんて感じます。もっとそういう思いができる様に、お客さんに必要とされる様に、日々仕事の数をこなして、技術の質を磨いていきたいです。